戸棚風呂

とだなぶろ。湯舟の縁に引戸を載せた形が戸棚に似ていることから呼ばれたもの。つまり戸棚の中に浴槽があるものと思えばよい。湯舟に少量の湯を入れ、引戸を閉めれば、湯気が充満して上部は蒸し風呂となる。本来、「風呂屋」は蒸風呂で「湯屋」は温湯浴を主とした風呂と考えられている。
戸棚風呂は、蒸気の浴室と湯舟を一体化したもので、この頃から「風呂」と「湯」の区別が曖昧になっていったものと考えられている。