半自動扉

お風呂屋さんならではの扉と言えよう。つまり開ける時は手動、しめる時は勝手にしまってくれるすぐれもので、あけっぱなしになっていると寒い浴室のために工夫したものである。最近はバランサー付の吊戸も見られるが、本来は敷居のレールに勾配をつけて自然に戸車がころがってしまるようになっている。したがって戸車のスムーズな動きが命で、扉上部にも横向きに戸車を取り付けて摩擦を少なくしている。この戸車がよく磨耗するので、ちょくちょく自動閉鎖があまくなる。又、レールの勾配がゆるすぎるとしまりが悪いため、砂袋にひもをむすびつけたもので引っぱったり、脱衣場入口の半自動扉などは番台の人がひもを引っぱってしめている光景もよく見かける。
ちなみに、この半自動扉は敷居に勾配をつけて傾けていることから、扉の竪桟と上桟はそれぞれ垂直と水平で、下桟だけが水平ではない、すなわち台形の扉なのである。知ってました?