風呂屋のカラン

お風呂屋さんにとって、カランは今でも重要なアイテムである。磨きこまれたテコカランや洗面器一杯分にピタッと調整された自閉式カランは気持ちが良い。逆に古くて汚れたカランでは出てくる湯や水までにごっているのでは?と思ってしまう。清潔そうな湯水がふんだんに出てきそうなカランが、ズラッと並んでいる姿がやはり風呂屋のだいごみであろう。
ところで風呂屋のカラン、水と湯が段違いになっていたり、同じ風呂屋でも湯と水の左右が逆だったりする。これらは配管の都合で決定されている場合が多い。つまり、壁の中に水と湯を上下に並べて横配管し、そこからダイレクトに水と湯を取り出すと段違いになる。仕切壁の表と裏に一本だけの配管ですませようとすると左右が逆になるといった具合である。湯がさめるのを防ぐと同時に配管費用をおさえるため、枝配管を極力減らし、配管を合理的に追求した結果であるということ、知ってました?